屋根豆知識 knowledge
塗装ができる屋根って?
そもそも屋根の塗装は、塗料を屋根材に塗る事によって屋根材が本来果たすべき役割を保つために行います。
屋根は一般的に直射日光や雨風にさらされるため、外壁と比較すると2倍の速度で劣化すると言われています。屋根の塗装がはがれてしまうなど痛んでしまった場合、そのままにしておくと、雨漏りが発生するリスクが高くなるなど、最悪の場合は本来の耐用年数よりも早いタイミングで屋根の葺き替えが必要になってしまうケースもあります。
屋根材にはさまざまな種類がありますが、種類によって塗装が可能なものとそうでないものがあります。例えば、粘土瓦屋根の場合は屋根材としての耐用年数が長く屋根塗装によるメンテナンスは必要ありません。
屋根塗装が可能な屋根材はいくつかの種類があり、スレート屋根やトタンなどの金属屋根、セメント瓦屋根などが該当します。
スレート屋根は、耐久性が高く、耐熱性に優れている上に一般的な瓦と比較しても安価で、さらにカラーバリエーションも豊富であり、現在最も普及している薄型の屋根材です。
そして金属屋根はトタンやステンレス、チタンなどの材質や瓦棒葺きや平葺きなどの形状にさまざまな種類があり、最大の特徴は耐水性です。
セメント瓦は陶器の瓦と比較すると軽量で均一性に優れており座りが良く、洋風やフラット型などさまざまな形状のものがあります。
これらの屋根材については適切なタイミングで塗装を行う事でさまざまなメリットがあります。屋根塗装のメリットとしては、まず屋根の寿命を延ばすことが出来ます。屋根は雨風や太陽光などさまざまな外的要因により、日々少しずつ劣化していきます。スレート屋根や金属屋根は粘土瓦と違い、塗装の塗り替えを行わなければ屋根材が徐々に傷んでしまいます。それに伴って本来果たすべき役割を果たせなくなってしまいますが、定期的に塗り替えを行う事で新しい塗膜が屋根材の寿命を延ばしてくれます。金属屋根の場合は防錆性が向上し、スレート屋根の場合は腐食を防止することが出来ます。そして、定期的な塗り替えは、屋根塗装の最大の目的である雨漏りの予防に効果を発揮します。
そもそも塗装には防水機能がありますが、機能が低下すると屋根材は水分を吸収するようになります。その結果として、屋根材がひび割れてしまう事があります。ひび割れたところから水が浸入すると雨漏りの原因になるだけでなく、住宅の内部構造の劣化にもつながってしまいます。定期的な塗り替えによって、ひび割れの発生を未然に防ぐだけでなく屋根材の補修を行うことも出来ます。
また、さらなる嬉しい効果として定期的な塗り替えには節電効果も見込めます。塗料の種類にもよりますが、特定の塗料には遮熱や断熱に優れたものがあります。そういった塗料を使用すると夏場は太陽光を遮断する事で冷房のコストを抑えることができ、冬場は室内の熱が屋根から外に逃げにくくなることで断熱効果が期待できます。さらに塗り替えにより外観を一新し好きな色にメイクアップする事により、お住いのご家族にとって心理的にもいい影響が期待できるのではないでしょうか。
住宅において屋根は外観もさることながら、家を雨から守り、台風などの自然災害から守り、陽射しから守るというとても重要な役割を担っています。近年はそれ以外にも極力軽くすることで家を地震からも守るなどますます注目されています。従来の瓦に代わる屋根材の普及により屋根材の塗装も重要な役割を担うようになりました。昔ながらの粘土瓦の屋根には塗装の塗り替えの概念がない為、屋根塗装になじみがない方もいらっしゃるかもしれませんが、適切に塗り替えを行う事で本来の屋根の役割を長く保てるようにしてください。