屋根豆知識 knowledge
屋根塗装の作業工程や日数
一般的に人生で住宅の屋根や外壁の塗装を塗りなおす機会はそれほど多くありません。
その為実際にどのような工程でどの程度の日数をかけて行われるのか気になるところではないでしょうか。業者によって多少の日数の違いはありますが、工程についてはおおむね同じです。工程は大きく分けて、足場の設置、高圧洗浄、下地の補修、下塗り、中塗り、上塗りの順に進みます。
まず塗装に入る前の下準備として足場を設置します。屋根塗装の場合、足場は高圧洗浄を行うために必ず必要となります。足場は職人の安全の保障し、塗料や高圧洗浄の水の近隣への飛散を防ぎます。足場の設置にかかる料金は非常に高く、おおむね屋根塗装全体のコストの3割を占めると言われます。そのため、可能であれば外壁塗装と同時に行った方が経済的であると言えます。
足場の設置が完了したら、次に高圧洗浄を行います。高圧洗浄とは屋根の塗装を始める前に屋根にこびりついたカビやコケなどの汚れを徹底的に落とす作業の事です。汚れが落ちていない場合、せっかく塗った塗装がはがれやすくなってしまう為非常に重要な工程で、同時に新しい塗料の粘着力を高める効果も期待できます。
次にスレート屋根の場合は下地の補修を行い、トタン屋根の場合はケレンを行います。長年直射日光や風雨にさらされたスレート屋根は、割れてしまったり欠けてしまうなど劣化が見られます。劣化した状態のまま塗装をすると塗料が密着せず、すぐにはがれてしまうなどの不具合が生じてしまうため、塗装する前に下地の補修を行います。
トタン屋根の場合はケレンという工程で、サンドペーパーなどを使用しサビを落とします。高圧洗浄だけではサビを落とすことは困難であるため、塗料の付きを良くするために非常に重要な工程となります。ここまでの工程で塗装に必要な準備が整い、塗りの作業に入ります。
一般的に塗りの作業には3つの工程があります。まず下塗りを行いますが、下塗りの目的は屋根の保護や色彩ではなく、中塗り・上塗りの塗料を屋根と密着させることです。塗装面と塗料を吸着させる接着剤のような役割を果たします。その為、屋根材によって塗料が異なり、スレート屋根の場合はシーラーという塗料を使用し、トタン屋根の場合はプライマーという塗料を使用します。下塗りが完了したら、いよいよメイン塗料による塗装を行います。メイン塗料は2回の重ね塗りが基本となり、1回目を中塗り・2回目を上塗りと呼びます。中塗りには下塗りの凹凸をならす役割があり、しっかりした塗膜を形成する上でも重要な工程です。ただし1回塗りと2回塗りは素人には全く見分けがつかない上に、見積もりではわかりにくいケースもあり得るので、確実に2回塗りの工程になっているか慎重に確認する事が望ましいと言えます。
以上が屋根塗装の全体の工程となりますが、一般的に屋根塗装のみの場合の工期は下地の補修までに3日程度、以降の塗りの工程に3日程度でおおむね一週間程度となります。一週間には土日などの休みが含まれていないほか、住宅の大きさや構造などによって多少前後する事があります。さらに屋根塗装の場合は、全体の工期が天候に左右されやすいという特徴があります。屋根を覆うものがないので、雨天など天候不良の場合には作業は中止になり、その分工期が伸びます。悪天候が続くと当初一週間だった工期が倍の二週間になったなどというケースもあり得ますので、そういった事態も想定して屋根塗装の計画を立てる事をおすすめします。仮に悪天候によって工期が延長してしまっても追加料金は通常の場合、発生しませんのでその点は安心してください。
以上が、屋根塗装の全容となりますが、屋根塗装は高い費用をかけて行う修繕ですので、業者選びや塗料の選択などはくれぐれも慎重に行ってください。